スペイン出戻り総選挙 中道左派PSOEが勝利 極右勢力VOXが躍進  第3党勢力へ 中道右派市民党が大敗

今年4月に行われたスペイン総選挙で、与党となったスペイン社会労働党(PSOE)ペドロ・サンチェス首相が下院で十分な信任を得られることができず、11月10日に出戻り総選挙が行われた。 この4年間で4回目となる。

前回の総選挙では、前与党国民党(PP)に対し汚職による不信任決議が可決され辞任したマリアノ・ラホイに代わり若いパブロ・カサードを党首として挑んだが、72議席を失う大敗を喫していた。 一方、PSOEは前回の総選挙までに20議席近くを失い、その責任を受けて一時幹事長の座を奪われていたペドロ・サンチェスが再度幹事長で出馬。 85議席から123議席まで議席を伸ばし与党を獲得していた。 また、極右政党VOXが0議席から24議席を獲得し、注目度が高まっていた。

今回の出戻り総選挙の注目点は
与党スペイン社会労働党(PSOE)が120議席(前回123議席)を獲得し勝利 
PSOE 123→120
前回の総選挙で大敗した中道右派国民党(PP)が21議席増やし、88議席を獲得 
PP 66→87
極右政党VOXが24議席から22議席増やし、52議席を獲得
VOX 24→52
中道右派市民党が57議席から10議席と47議席失い大敗
Cs 57→10
カタルーニャ州地方政党反体制・反資本主義を標榜する人民統一候補CUPが下院議会入り
CUP 0→2

出戻り総選挙となったが、今回も連立交渉が難航する様相を呈している。

今回の勝利でVOXのサンティアゴ・アバスカル党首は、「(独立機運が高まる)カタルーニャ州自治政府に対し(自治権を停止する)憲法155条の適用を」と発言し、憲法違反を繰り返すカタルーニャ州政府に対し、憲法裁判所は今後更に仕事が増えるだろうと指摘した。

大敗した市民党のアルベルト・リベラ党首は会見で「国民は中道派よりも(PSOE党首)サンチェスのほうをえらび、またVOXをも選んだ。」 今回の大敗を受け、党首の座を退く声明はしていないものの、党内からの批判は必死で、辞任の噂がささやかれている。

下院議会は全体で350議席、絶対過半数は176議席。

開票率 98.17%の時点で各主要会派の獲得議席数は以下の通り。

https://resultados.10noviembre2019.es/Congreso/Total-nacional/0/es

今回の総選挙データ

有権者数 46,722,980人

投票権付与者数 37,000,608人

スペイン国外有権者人数 2,128,559人

(ガリシア州 461,255人、マドリード州313,660人、 アンダルシア州249,246人)

今回初めて投票する新成人 226,771人

有権者主要人口年齢層40歳から59歳

自治州別有権者数

アンダルシア州 657万人

カタルーニャ州 561万人

マドリード州 508万人

バレンシア州 366万人

下院議員立候補者数 4,456人

上院議員立候補者数 1,276人

投票率 69.91%(前回71.76%)(開票率98.17%時点)

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