スペイン最高裁判所ドイツ地方裁判所の判断を棄却 プッチダモン前州首相の「公的資金横領」の容疑のみでのスペイン移送を拒否

スペイン最高裁判所パブロ・ヤレナ裁判長は19日、ドイツ”Schleswig-Holstein “地方裁判所のカルラス・プッチダモン前州首相「公的資金横領」の容疑「のみ」でのスペインへの身柄引き渡しを拒否したことが分かった。

スペイン最高裁判所はカルラス・プッチダモン前州首相に対し「公的資金横領・反乱・扇動」などの容疑でドイツ司法当局に対し欧州逮捕状を発令し、身柄の引き渡しを要求していたが、ドイツ地方裁判所は国家反逆罪として身柄引き渡しができるほど「暴力」が存在しなかったとし、「公的資金横領」の罪でのみスペインへの身柄引き渡しを決定していた。

これにより、スペインで同前首相の刑期は大幅に短くなる。

このドイツ地方裁判所の判断に対しスペイン最高裁判所パブロ・ヤレナ裁判長は19日、ドイツ地方裁判所の判断とスペイン憲法の間に齟齬が生じているとし、ドイツ司法当局の「公的資金横領」の容疑のみでの身柄引き渡しを拒否、「欧州逮捕状」を「再度」撤回し、同前首相の「反乱・公的資金横領などの容疑」で裁判を行う構えを示した。

「欧州逮捕状」は欧州連合加盟国に対し発令することができるが、全域に自動的に有効なものではない。 容疑者が該当する国に滞在している場合、加盟国が外務省などを通さずに、「司法当局」間で逮捕状を発令することができるもので、被疑者が滞在する国で逮捕拘束された場合、逮捕された国の法に則って司法の判断がされるため、加盟国によって被疑者への対応が変わってくる。 

今回ドイツで書類送検されたプッチダモン前州首相は、スペイン司法当局が、ドイツだったら身柄引き渡しを受理されるものであると思っていたが、結果的に「公的資金横領」のみの容疑で引き渡しだったため、スペイン国内で「反乱」の容疑がなくなれば、国内で逮捕拘束されているオリオル・ジュンケラスらの「反乱」容疑が消滅してしまう恐れもある。

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