欧州連合は20日、EUからの離脱を決定した英国の国内に拠点を置く2つのEU機関の移転先を決めている。
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移転の対象となっているのは欧州医薬品庁(EMA)および欧州銀行監督機構(EBA)の2つであるが、特にEMAに関しては年間約3万5千人の専門家が本庁を訪問するとされ、経済効果が見込まれていることなどから誘致の競争が激化している。
これに伴いカタルーニャ州の州都バルセロナは移転先として立候補していた。
バルセロナ以外にはダブリン、マルタ、サグレブ、アムステルダム、アテネ、ボン、ブリュッセル、コペンハーゲン、ウィーン、ミラノ、ヘルシンキなど18か所が立候補していた(投票前にダブリン、マルタ、サグレブは辞退した)
第一回目の投票では、27人の欧州連合加盟国代表らが1位3ポイント、2位2ポイント、3位1ポイントの合計6ポイントを各候補地に投票、バルセロナは13ポイントを獲得し、5番目に甘んじた。
1位はミランの25ポイント、2位3位は同じ20ポイントでコペンハーゲンとアムステルダムが選ばれた。
これにより決選投票がこの3都市で行われる。
決選投票では各代表らは各1ポイントを投票することになるので、1都市が14ポイントを獲得すれば、EMAの移転先が決定する。
今回バルセロナが落選したのを受け、与党側市民党(シウダダノス)のアルベルト・リベラ党首は、「分離独立派へ怒りを覚える」と、ツイッターで発言。 カタルーニャ州国民(PPC)アルビオル党首は「バルセロナは選ばれない。 州政府は共和国を盾にしているから。」と発言。
一方カタルーニャ州独立賛成派会派ERC のバルセロナ市議会議員アルフレッド・ボッシュは、今回落選した責任はすべてマリアノ・ラホイ首相にあると批判。
欧州連合から脱退を決めた英国からの移転先として、スペインからの独立を狙い、それにより欧州からも自動的に離脱してしまうカタルーニャ州の州都に票は集まらなかった。
追記
結局第二、第三の投票がなされたにもかかわらず、アムステルダムとミラノが同点、最終的に抽選を行った結果、アムステルダムが新EMAの移転先となった。